舞台とお酒が好きな人の備忘録

舞台とお酒が好きな人の備忘録です。

12/1観劇 『命売ります』

早いもので、もう12月ですね。。。今年もあっという間に終わっちゃいますね。。。ということで2018年ラストスパート?張り切って観劇していこう!笑

脚本・演出:ノゾエ征爾

製作:パルコ

会場:サンシャイン劇場

www.parco-play.com

余談なのですが、当日までなぜか会場が世田谷パブリックシアターだと思い込んでました。パルコステージって、なんか世田パブのイメージありませんか?私だけ?笑

金で買われるイケメンの命

原作になっているのは、週刊プレイボーイに連載されていた三島由紀夫原作の小説。27歳のコピーライター、羽仁男はある日突然死を決意して自殺。しかし死に切れず、命を売るという商売を思いつく。。。で、お金で依頼をいけて死ぬかもしれない危険な依頼を受けていくんですが、なぜかいつも生き残ってしまう羽仁男。しかも依頼主の妻だったり、依頼主そのものだったりが羽仁男の代わりに死んでしまうというストーリー。

主演は東啓介こととんちゃんなんですが、でか!足長!女優さんと並んだ時の対比がすごい。。。こんなスラッとしたイケメンだったらわざわざ死ななくても色々と人生の選択肢はあったろうに。。。と思わず思ってしまいましたが、そういうことじゃないんだろうね笑。

羽仁男の三番目の依頼主は、吸血鬼の母を持つ少年、井上薫。冗談かと思ったらお母さんはまさかの本当の吸血鬼で、羽仁男は血を提供しつつ3人で疑似家族のように暮らします。吸血鬼役の樹里咲穂さんがすごく妖艶で素敵なんだけど、羽仁男を家の外に連れ出すシーンがとても好きでした。逃亡を防ぐためか?なぜか吸血鬼さんに金色の鎖で羽仁男が繋がれてるんですよ!鎖は首ではなく手首に結ばれてるのではたから見たら長い鎖を二人で持ってるだけのように見えるけども、明らかに金で買われた男の命の所有権は、この女性にあるということを示唆していて。。。長身の男を飼いならす妖艶未亡人、というビジュアルがとてもエロスで素敵でした。

生と死のイメージ

舞台セットに関して。後方一面にドアがついている壁があって、床にはドイツのホロコースト記念碑を思わせる黒い四角い足場がいくつも置かれていました。黒い足場は墓石のようにも見えて。。。これは生と死のイメージなのかな?

でもドアがあるとそこから誰かが出てくるものという前提があるので、演出が全体的にネタバレみたいな感じなっちゃわないんだろうか*1

“死にたい”ことと“死んでもいい”ということ

命を売ってもなぜか死なない羽仁男。彼のセリフの中で、“死にたいわけではなく、死んでもいいと言っている”というのがあります。彼は誰かに殺されてたり自殺したりしたいわけではなく、死んでもいい、というだけ。それってつまり、生きたいっていうことなんじゃないのか??

羽仁男最初の依頼人2人には、自分が死んだら依頼人が払った代金を持ち帰って何か面倒くさい動物を飼ってほしいと言います。これは自分が生きたことの証を残そうとしている?やっぱり羽仁男は生きたいんじゃないか?と思ってしまった。



ラストシーンの演出で、ずっと舞台中央にあった“命売ります”のネオンサインが“命売りますか?”に変わるんだけど、それこそがこの舞台のメッセージなんだと思いました。その言葉の裏にあるのは“死んでもいいと思って生きますか?”ということなのかもしれない。



マシュマロよろしければ〜!
marshmallow-qa.com
※基本的にはお返事させていただきます。掲載不可、伏せて欲しいところがあればおしらせください。

*1:現にオープニングで全部のドアから人が出てきたときもあまり斬新さを感じなかった。。。