舞台とお酒が好きな人の備忘録

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『レディ・オルガの人生』感想〜この推しがすごい編〜

先月末から上演しております通称“不思議人間ショー”な推し舞台。何回か観劇してまして、毎回楽しく舞台の世界に浸っております。一つの記事に感想をまとめると長くなりそうなので、まずは本作での推しの魅力について書いてみたいと思います。

ティーファクトリー『レディ・オルガの人生』

作・演出:川村毅

制作:ティーファクトリー

会場:吉祥寺シアター

T Factory(ティーファクトリー) 川村毅新作戯曲プロデュースカンパニー - 『レディ・オルガの人生』

ちなみに本作は川村さんが80年代に手がけた舞台のリバイバル版となっております。元の作品のリーディング公演に行ってきた際の記事はこちらです。

leo-writer.hatenablog.com


演技の幅がすごい!

物語は東京のどこかにある地下劇場で繰り広げられる、奇形の人たち=フリークスのショーを中心に展開します。推しさんの役柄もそのパフォーマンス集団の一人なのですが演じる役柄が幅広い。。。!まずは冒頭から吸血鬼ドラキュラ伯爵で登場!朗々と意味のない*1はちゃめちゃでコミカルな芝居を披露してくれます。その次にはフランケンン・シュタイン博士になって登場!これまた意味のない謎の人造人間を製造してポイッてします笑。

これまでは劇中劇の役柄なのですが、本当の正体は鬼の一族と言う設定。迫害にあって絶滅危惧種となり、姉と一緒にこの劇団*2に売られてきたと言う設定。しかも、彼は潮の満ち引きで時折オオカミ男になって暴れまわる習性があり、姉の歌により飼い慣らされています。

しかもしかも!普段は鬼でオオカミ男である自分と正反対の自分を演じようとしているのか、胡散臭いエレガントさ*3を漂わせる英国紳士“トニー”として振舞っているのです。。。!

ここまで書いてみて、自分でもよくわかんなくなってきた笑。それくらい今回の作品での演技の幅は広かったです。上記以外にも踊るクマの役やったり、レディ・オルガの夫の気球の操縦士やったりもしてましたね。。。劇中でも“一人アダムスファミリー”と言われてましたが、推しの演技的に、一粒で5~6度ぐらい美味しい舞台でした笑。


ダンス力がすごい!

本作はガチンコストレートプレイなのにも関わらず、元ダンサーの推しのパフォーマンスが楽しめる箇所が多々ありました。

不思議人間ショーのおかしな芝居の最後には、劇団員全員でこれまたふざけた歌詞に合わせて歌って踊るショーがあります。振りつけはしごく簡単なものなのですが、推しだけ妙にダンサブル!笑 動き方が一人だけキレッキレだよ!あと、移動距離が長い!舞台の奥の方から最前キワキワまですごい勢いでステップ踏んでくる。と思ったら今度は上手から下手に移動したりと。。。動き回ってました笑。

また、前述の通り、推しさんの役はオオカミ男です。オオカミになって暴れだした時は、姉が歌を歌って踊らせて疲れさせるのですが、その踊りがブレイクダンスウインドミルでぐるぐる回るのがデフォルトだったんですが、一回違うステップの時があって。。。うまく表現できないけど、ポーズをとった姿勢からいきなり背中から仰向け状態でバンッ!て推して、そのまま安らかな表情で眠ってました。。。推しさんしかできないよ、こんな演技。。。


豹変ぶりがすごい!

クライマックスに差し掛かった時、もっと社会に出ようと声を大きくするフリークス達が、呼び込み役で唯一普通*4の劇団員が激しくたしなめるシーンがあります。

悔しい姉は、弟の推しさんに“オオカミ男になって喉笛かみちぎれ!”とけしかけ、推しさんも挑戦するも“いきなりは無理だよ。。。”と弱腰な様子。この姉弟のやりとり、可愛らしくてすごく好き。

そして、さらに呼び込みの激しい糾弾は続き、勢いを失っていたフリークス達ですが、呼び込みの“バケモノ!”と言う声で、推しさんが豹変しオオカミ男になって呼び込みのお尻に噛み付きます。この豹変っぷりが、前述のやりとりとのギャップでこのシーンをとっても魅力的なものにしていたと思う。。。!



この推しがすごい編はこんな感じでしょうか。リーディング公演の時は、川村さんと言う演出家と果たしてうまくできるのだろうか?と言う不安を抱いていたのですが、いらぬ心配だったようですね。本作にとって推しさんは欠かせない存在になっていたと思います。ブログにも、二人で飲みに行ったことが書かれてたり、仲良しな様子も伺えるし。川村さんとの出会いにより、推しの今後の役者としての人生をより実りあるものになるといいな。

次回は作品自体の感想について書きます〜!

*1:演出として、意味のない芝居をやってる

*2:団長曰くサーカス

*3:褒めてる

*4:実はそうではなかったんだけれども