舞台とお酒が好きな人の備忘録

舞台とお酒が好きな人の備忘録です。

10/4観劇 花組芝居『天守物語』

この日は代休とったので、昼間は不思議人間ショー、夜はこちらを観て参りました。

花組芝居天守物語』

原作:泉鏡花/ 構成・演出:加納幸和

制作:花組芝居

会場:あうるスポット

hanagumi.ne.jp


個人的反省点

まずはじめに個人的な反省点を一つ。花組芝居さん、好きなんです。と言いつつも今回観るのが3回目。学生時代に一回観て衝撃を受けて、以来なんとなく離れつつも最近るひま常連のへいにーこと二瓶拓也さんが劇団員だということを知ってまた観に行くように。

前回見たのは『黒蜥蜴』だったんだけど、その時思ったんだよね。あ、言葉が難しいな。。。と。上演されるときは基本的には、セリフは現代語ではなく古語なのです。『黒蜥蜴』の時も原作を予習しないでいったので、なんとなくは分かったけどイマイチ不明瞭なセリフも多く。。。

次行くときは絶対原作読んでから行こうと思ったんですけど、今回忙しさにかまけてやっちまった。。。ネットで軽くあらすじは漁って行ったものの、それだけじゃちょっと勉強不足でした。泉鏡花はただでさえ言葉使い難しいんだよね。。。幻想的な表現に想像めぐらせて読むのも楽しいんですが。もっと自分の日本語能力あげたい。。。


完璧な世界観

本題に戻って感想ですが、一言でいうと“無駄がない”なと思いました。セリフや、はける時の細かいリアクションもそうだけど、舞台セットや小道具まで。全てに無駄がなく、花組芝居の世界観形成に一つ一つが役立ってる感じ。

特に舞台セットって、豪華な造りでも、これ本当にいるんかい?って突っ込みたくなるような作品に多々出会うわけですよ。あと小道具も、なんでそこはリアルなのにあっちの表現は雑なんだよ!と突っ込みたくなるような作品もあるわけですよ。花組芝居さんに至っては全てがぴったりとハマっていて、完璧な世界観でした。

女童の二人のリアクションとか、侍女たちが奥女中に総ツッコミするところとか好きだなあ。本作に限らず、時々やりすぎでは?と思ってヒヤヒヤする時もあるけど、朗々としたセリフの後に突然口語でツッコミやディスりがある“抜け感”も花組芝居の魅力ですよね。


テンアゲ〜な姫君たち?

歌舞伎のお作法をベースに、なんでもありな“ネオ歌舞伎”を上演する花組芝居さんですが、今回の『天守物語』はしょっぱなからダンサブル!!な印象でした。*1曲調もエレクトロっぽい感じだったし。幻想優美なセットと衣装のバックに、電子音いっぱいの音楽っていうのは良かった。

あと、へいにー演じる亀姫が、登場時に侍女とお付きのものたちを煽ったりする描写もあり、“天守=お立ち台”なのか?とも思いました。これは物語ラストに木彫り師が言うセリフからのイメージなのかな。

「世は戦でも、蝶も舞うし花も咲く、馬鹿な城の奴らは祭だと思って騒げ」

つまり、城下で行われる(であろう)騒ぎは馬鹿な奴らの祭り。天守はそんな祭り騒ぎを見下ろす物見櫓、お立ち台的存在なのかなと。




想像力で補わなければならない部分もありつつ、楽しかったです。やっぱり好きだな、花組芝居。次こそはちゃんと予習して臨みたいです。

*1:もしかしたら私の観劇経験が少ないだけで、通常そうなのかも?