舞台とお酒が好きな人の備忘録

舞台とお酒が好きな人の備忘録です。

10/3観劇『おとぎ裁判』

吉祥寺では絶賛、推しさんがでる“不思議人間ショー”が開催中ですが。。。この日はそちらはおやすみして、裁判所に行ってまいりました。

『おとぎ裁判』

脚本: 神楽澤小虎(MAG.net)/演出:村井雄(KPR/開幕ペナントレース

制作:CLIE

会場:俳優座劇場

おとぎ裁判
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いつもはネタバレ気にせずに書いちゃうんだけど、本作に関してはネタバレ読まないで観に行った方が面白いかも。万が一、これから観にいく方いらっしゃいましたら、以降の内容はネタバレを含みますのでご注意くださいね。

ぞわぞわしっ放しの世界観

いや〜、よかった。とても好きな世界観でした。

劇場に入った瞬間に、もう世界が作り上げられていて。舞台上には豪奢なお屋敷を思わせるセット。座席も薄暗く、怪しげな音楽がうっすらとかかっている。。。そこで、観客は松明を意味する“トーチ”と呼ばれます。実際にロウソクのレプリカみたいなライトを持たされて、それをペンライトみたいにしたり、劇中で決を取るときに使ったりもする。劇中の登場人物は、自分たちを見ている(と思っている?)トーチに向かって話しかけているっていう設定。

これって、「Club SLAZY」における386じゃん!?って思いました。同時に、ここは彼ら達だけの世界なんだなと。衆人環視の中行われる裁判じゃなくて、彼ら達だけの閉ざされた世界で行われている出来事なんだ。。。と思った瞬間ぞわ〜っときました。そんな世界観、絶対好きじゃん!笑

前半の展開の仕方は、ちょっと荒削りというか、言葉もよくわかんないし、いきなり歌って踊りだすし、その歌詞も聞き取れないし。。。おうおう。。。って押されぎみだったのですが笑。その中でも“現実の世界に戻る”、“暇つぶしのキラー”などなど、ん?って引っかかる言葉のピースが頭の中で徐々にハマっていく感じにまたしてもぞわぞわ。

特に、主人公の古谷大和くん演じる“アケチ”という役名。これ、“明智小五郎”のアケチだと思ってたんですよね。事件解決するって意味で。でも今まで執事として下手に出ていたジュードがころっと態度を豹変させて、“主君”が云々って行った時にに、あ!明智光秀だ。。。!ってなった瞬間が最大にぞわわ〜!

謎のライバル弁護士?コンビのブルーとロブも、ブルーが“ブルータス”の略だと知って。。。アケチもブルーも、主君を殺した“キラー”なんだ!うわ〜〜!!!って、完全に本作の魅力にハマった瞬間でした。

“伽”の意味

劇中に何回も登場する“伽相手(とぎあいて)”という言葉。これはパンフレット読んで知ったんですが、“伽”とは大まかにいうと“一方的に相手に尽くすこと”という意味だそうですね。知らなかった〜。。。御伽って勝手にファンタジーっていう意味だと思ってたわ。。。

おとぎ裁判の世界って、自分が殺した相手にただただつくし、暇な時間を殺し、いつか現実の世界に戻る時を待っている“キラー”達の世界っていうこと??深い。。。



前述の通り荒削り感は否めなかった*1ですが、作品としては良かったです。券売苦労してそうだけど、頑張って第二弾やって欲しい。。。

*1:特にアフタートークのくだり苦笑