舞台とお酒が好きな人の備忘録

舞台とお酒が好きな人の備忘録です。

1/19観劇 『陰獣 INTO THE DARKNESS』

2019年二作目の作品はこちら。

metro第11回公演/旗揚げ10周年『陰獣 INTO THE DARKNESS

演出・台本:天願大介

制作:(有)ジェイ.クリップ

会場:赤坂RED/THEATER

sarara.asia

以前、嵐の中代々木の能楽堂で観た『青鬼の褌を洗う女』がよかったので、二度目のmetroさんです。
leo-writer.hatenablog.com

二大女優の雰囲気がすごい

本作は江戸川乱歩の『陰獣』と『化人幻戯』をリミックスした感じの作品。『化人幻戯』に登場する“愛するものを殺す”女性と、『陰獣』に出てくる倒錯趣味を持つ夫人という二人の女性を中心に舞台は展開していきます。前者を月船さららさんが演じていて、metroといえばこのさららさんの、ねっとりとしたエロい雰囲気が癖になって好きなのですが、後者を演じたサヘル・ローズさんがまた引けも劣らず。。。今まで情報番組でしか拝見したことなかったけど、舞台上ではあんな演技をされるのか〜と驚きでした。憂いを帯びた独特の雰囲気がすごい。

と、メインの女優さん二人がしっとり、ねっとり色気のある演技をみせていてくれた反面、男性陣の演技がちょっと冗長というか滑稽な感じがしてしまったな〜。全部が全部重くても、観られないと思うのでバランスではあると思うんですが。。。

あと、さららさんの小林少年は必要だったのだろうか?可愛かったけどさ。。。そもそも明智小五郎が探偵ではなく、小説家という設定になっているので、無理して少年出さなくてもよかったのでは?一瞬だけでしたし。。。

自らに潜む獣

前述の通り、二つの作品をミックスしている本作。最後はなぜか、女性主人公同士がお互いを“陰気”と“陽気”*1と呼び合い、トランプに興じて終わる。。。と思いきやいきなり転調し、明智が夫人の妄想だと思っていた人物が実在していたという事実を知らされて終幕。

何が真実かわからない『藪の中』的な展開でしたが、実は明智が書いていた小説の中の話だったということなのかな。陰獣=人間の心の中に潜んでいる隠れた獣、なので、明智もまた自らの陰獣に取り憑かれて現実と妄想の区別がつかなくなっていたということなんでしょうか。



余談ですが、江戸川乱歩の作品で『盲獣』っていう作品もありますよね。昔映画見たことある。。。最初に本作の発表を知った時に、こちらの作品と間違えておりました。。。今ウィキで調べたら、乱歩自身は『盲獣』は失敗作だと思ってたらしいです。こっちも面白いのに〜。

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*1:サヘルさんが陰気で、さららさんが陽気